【漫画でわかる!?】ことばの聞き取りに大事な「語音明瞭度」とは?

リオネットセンター杉並店です。

第一話で予告をいたしました通り、今回は言葉の聞き取りを語る上で欠かせない「語音明瞭度(ごおんめいりょうど)」を解説する漫画でございます。
聞きなれない言葉に「なんだか難しそう」と思われるかもしれませんが、解説はシンプルにしてありますので、小噺を楽しむ感じでどうぞ!

ちなみにちょっと詳しい補足を、漫画の後に文章で載せておりますので、そちらもどうぞご覧ください。

今後はブログ以外の媒体でも展開を予定しています。よろしくお願いします!


ところで第一話、だいぶ前ですね。
更新頻度を上げていくことを誓う漫画担当です。今後もよろしくお願いいたします。

初回はこちら

集音器と補聴器の違いの話はこちら

さて、補足説明をさせていただきましょう。
作中よりちょっと詳しく書きますと、語音明瞭度は、一般的には「あ」「き」などの単音節20個を一つの表として、音の大きさを変えて3表または4表を左右それぞれ聞いて、その正答率を出します。
この20文字につき1表のものは67-S語表と呼ばれる現在日本では補聴器専門店や耳鼻咽喉科でも一般的に用いられているものです。

複数の表で聞き取りの測定をして、正答率が最大で80%を超えれば、音がちゃんと聞こえれば「聴覚のみで会話を容易に理解可能」あろうとされています。
60%以上であれば、「普通の会話はほとんど理解可能であるが、不慣れな話題では正確な理解に注意の集中が必要」と考えられています。※1

ただし、67-S語表は文字数が少ないことから、正確性を求めるのであれば文字数の多い57-S語表を用いることを推奨されますが、1表当たりの測定時間は長くなります。

私たち認定補聴器専門店が基準として用いる「販売店における補聴効果の確認法」においては

67-S語表は、音の大きさによって言葉の聞き取りの変化を測定する「明瞭度曲線」を求める方法に。
57-S語表は、補聴器を装用した時とそうでない時の明瞭度改善を確認する際に。

と、それぞれ目的によって使い分けるように推奨されています。※2
この辺、話し出すときりがなくなるので、また別の機会にでも。

さてもう一つ。
今回の漫画の後半、「健康な聴力の人でも分かりにくい言葉は聞きにくい」というのは、皆さんもご経験があるのではないでしょうか。

はなちゃんが雑に並べ立てた横文字ビジネス用語、文字の小ささも相まって相当読みにくかったと思いますが、聞き取るのも同様に、ぼそぼそしゃべる人、早口でしゃべる人、専門用語や聞きなれない言葉を並べられた場合も、意味を正確にわからないのは自然なことです。

難聴の人は早口や聞きなれない言葉の聞き取りにくさがより顕著になるので、なるべく静かな環境でゆっくりはっきり話して差し上げることが重要になります。

しかし、あらゆる場面すべての人にでそういった合理的な配慮を求めるのは困難なことです。
もしかして難聴かも? と思ったら早々に耳鼻咽喉科医師を受診して、認定技能者のいる補聴器専門店で相談をしましょう。

※1 小寺一興 補聴器のフィッティングと適用の考え方
※2 公益財団法人テクノエイド協会 販売店における補聴効果の確認法 より