新型コロナウイルスの影響で、常連のお客様ともなかなかお会いできない状況が続いております。皆さんの元気なお顔を早く拝見したい今日この頃です。
そんな中、昨年は新たに補聴器を試したいというご相談が多かったように感じられます。マスクで聞こえにくさを実感したり、テレワークによってご家族の難聴に気付いたりするきっかけになったのかもしれません。
「もう少し聞こえなくなってからでいいのかな」と、補聴器はまだ早いとお考えになるお客様も多いのですが、実は補聴器は早めにスタートしたほうがいいとされています。今回はそのメリットをご紹介いたします。
① 補聴器の扱いが早く身につく 補聴器は精密な電子医療機器です。そのため、使用にあたっては覚えることがたくさんあります。 ・会話しやすい状況を理解する(対面・静か・ゆっくりはっきりとした音声) ・電池の使い方や注意点(電池の寿命など) ・装着の仕方(耳の奥まできちんとはめる、メガネやマスクがある場合装着の順番に気を付けるなど) ・お手入れの仕方や保管方法(耳垢などの汚れを除去する、汗や湿気などの水分を避けるなど) などなど・・・ 私たちがすぐに思いつくだけでも、これだけのことをお客様にご説明差し上げています。一度にすべてを把握するのはかなり難しいところです。 ② 言葉が聞き分けられるうちに 多くの耳鼻科医でお測りいただける聴力のほかに、言葉の聞き分ける力(語音明瞭度)も重要です。この力が低まってくると、「こんにちは」が「ぼんびびわ」のように濁る・ぼやけたように聞こえてしまうと言われています。言葉の聞き分ける力が高いうちに補聴器を使うことで、補聴効果も高く見込まれる場合があるようです。 ③ 認知症の予防 聞こえにくいために相手に何度も言葉を聞き返すことをためらい、会話そのものが消極的になるとします。すると、人とのかかわりが減り孤立状態になります。一人で静かに過ごして聴覚刺激が少なくなると、記憶や情動などさまざまな脳機能に影響を及ぼす可能性があると言われています。認知機能低下の危険因子はいくつかありますが、そのうちの一つに難聴が数えられるようになってきているようです。三密を避け一人で過ごすことが多くなった今、補聴器を意識的につけてお耳に刺激を与えることも、健康を維持するのに効果的といえるかもしれません。
補聴器は買ったらすぐに使いこなせるものでもなく、多くの場合3か月ほどかけて徐々に装着や聞こえに慣れるのが理想とされています。当店でも補聴器のお試しを随時受け付けておりますが、その際にもこまめにお店に足を運んでいただき、お話を伺いながら少しずつ音調整をしてまいります。補聴器を快適に使っているお知り合いがいたとしたら、おそらくその方も最初に慣れるための努力をされたのだと考えられます。
聞こえは人によって異なるため、時間をかけて正解を探していく必要があります。早めにスタートすることで、じっくりと音作りをすることができます。