【船橋店】聴導犬とビクトリアと

こんにちは! リオネットセンター船橋店 ブログ担当沼田です。
今日はいつもと違って(?!)真面目なお話。

皆様は、此方の募金箱を見たことがありますか?

此方は、補助犬の育成を通じ、誰もが快適に暮らせる社会作りを目指している、日本補助犬協会が設置している募金箱。
リオネットセンター船橋店でも、つい先日から設置することとなりました。

ところで皆様、街中で盲導犬を見かけたことはありますでしょうか。数回程度ならあるという方もいらっしゃるはず。街中で行われている街頭募金ブースに一緒に来ていたり、実際に盲導犬として働いている姿を目にしたり。。。
でも、聴導犬と聞かれると如何でしょう。実は私も聴導犬を街中で見かけたことがありません。一体どんな犬が適しているのか、実際の生活はどういうものなのか。知らないことが盛りだくさん。
ということで、聴導犬について調べてみることにしました。

参考にしたサイトは、公益財団法人 日本補助犬協会
今回は聴導犬に的を当てていきたいと思います。
(※最後に盲導犬のお話がチラリと出てきます!)

聴導犬とは

それとなく思い描いていた聴導犬の役割は、

・来客や物を落とした時に知らせてくれる
・電話が鳴ったら知らせてくれる

というだいぶふわっとしたもの。
実際調べてみたら、このようなことが書いてありました。

聴導犬は、タッチをするなど色々な動作を使って耳の不自由な方に音を知らせて生活をサポートします。赤ちゃんの泣き声、FAXの呼出音、ドアのチャイム、目覚まし時計の音等々、生活をしていく上で必要な様々な音を覚えます。離れた所で音がした場合でもユーザーの所まで行ってそれを教え、音源まで誘導します。
又、警報機の音を知らせるなどユーザーの安全を守る仕事もします。家の外では、窓口での順番待ちの時に鈴を鳴らしてもらい名前が呼ばれた事を知らせる仕事などがあります。 音が聞こえない事からくる不安を軽減し、耳の不自由な人の快適で安全な生活を支えるのが聴導犬の役目です。

引用:聴導犬の役割

知らせてくれるって、一体どうやってだろう? と思っていた私にとって、タッチするなどといった動作を用いて知らせてくれると聞いて納得。
中でも驚いたのが、赤ちゃんの泣き声を知らせてくれること。そうか、そういう音まで教えてくれるんだ! とびっくりしました。
私もだいたい十年前、ストレスで右耳が聴こえづらくなった経験があります(今はもう大丈夫です)。その時「このまま聴こえなくなったらどうしよう。もう二度と歌えなくなるのかなぁ。夢も諦めないといけないのかしら……」と枕を濡らした経験があります。当時合唱部に所属していて、コンクール直前で医者に行くことも許してもらえずでしたので、お医者さんにかかるその日まで、本当に怖くて怖くて仕方がなかった。この先のことを考え、夜が来るたびに、そして部活の時間帯も恐怖で震えていました。その不安をいつも近くで支えてくれる「相棒」がサポートしてくれる。それほど心強いものはありません。

犬種あれこれ

盲導犬のイメージは、ラブラドール・レトリバーやゴールデン・レトリバー。私の親戚もゴールデンさんを飼っていました。ご主人である親戚家族に凄く忠実で、優しい存在だったことを思い出します。ただ、残念ながら私は歓迎されず、いつも警戒心丸出しにされていたという事実。。。
対して聴導犬はと言いますと、

聴導犬になる犬は、人と一緒にユーザーも犬も快適に暮らすことの出来る犬であること、社会性の求められる場面で適切な行動が出来ることは補助犬全てに共通しています。

引用:聴導犬の一生

ラブさんやゴールデンさんは、どんな子でも盲導犬になる素質があるのだろうな。なんて軽い気持ちで思っていたのが恥ずかしいです。
でもよくよく考えてみたらそうですね、どんな犬種であっても性格はさまざま。大人しい子、甘えん坊、気性が激しい子、のんびり屋さん……人間もそうですが、犬にもいろんな性格の子がいます。
ちなみに、犬種を調べたところ、特に決まった犬種はないそうです。ということは、実家の犬が聴導犬になれた可能性もなきにしもあらず?!
なお、聴導犬候補の選抜方法は三種類。

・自家繁殖⇒パピーウォーカーさんに育ててもらう
・捨てられた犬を引き取り、訓練する
・耳の不自由な人が既に飼育しているペットを訓練する

候補犬は各種訓練や認定試験を行い、試験にパスした犬達は聴導犬を必要とするご家庭に派遣されていきます。

前述のとおり、聴導犬は基本的には性格が上で引用したことと合致していれば、どんな犬種の子でもなることができます。
特に、捨てられた犬達が聴導犬になるということに驚きを隠せませんでした。おそらくですが、辛い経験をしたという過去があるからこそ、同じように辛い思いを抱えている人達にも優しくすることができるのでしょう。

ビクトリア盲導犬協会

ところで、私が今回この記事を書いているのは、ただ単に犬が好きですとか、募金箱が設置されたから、とかいう理由だけではありません。
経緯がだいぶ長くなってしまうので、この記事を描いた理由を今回は下に持ってきています。。。

今から10年前の7月下旬。地元の祭が終わった丁度次の日、私はオーストラリアへと旅立ちました。
当時、高校の英語コースに所属していたので、修学旅行で京都・大阪・奈良には行かず、海外で語学研修をすることになっていたのです。
その時お世話になったホストファミリーは、盲導犬のパピーウォーカーをやっていました。大人しい、黒いラブラドールの”Skye”ちゃん。実家の子達(飼い主は中型犬だと思っていますが、お医者様曰く大型犬とのこと。そんなバナナ!)よりも遥かに大きくびっくりした経験があります。
ラブさん、意外にでっかいのです。

“Skye”ちゃんは、何処に行くにもホストマザーと一緒。
ホストシスター達をテニスに送る時も。
駅にお迎えに行く時も。
スーパーマーケットにお買い物に出かける時も。
学校のフェアウェルパーティーにだって。
いつでもどこでも一緒でした。

日本の場合はどうなのかは、勉強不足の私にはよく分かりません。でも”Skye”ちゃんは、ママと一緒にお外に出かけるとき、必ず黄色いお洋服とハーネスを身に着けていました。
その黄色いお洋服は、盲導犬の卵であることの証。黄色いお洋服を着ている限りは、盲導犬と同じ扱いになります。
だからスーパーマーケットの中にだって学校の中にだって、”Skye”ちゃんは入れたわけです。
だって盲導犬なんだもの。

実は私は研修期間中、ビクトリア盲導犬協会(Guide Dogs Victoria)を訪れました(訪問するのを知らされたのが実は前日であったり、担任の先生が既にそのことを知っていたりという私のドタバタ劇のお話は、また後日ゆっくりと)。
生後数か月の子犬に触れたり、敷地内にあったドッグランで”Skye”ちゃんや子犬、それに他の盲導犬の卵たちと遊んだり。また、ビクトリア盲導犬協会CEOであるカレン・ヘイズさんともお会いしました。当時はオフィスの中に沢山いた盲導犬の卵たちと遊ぶのに夢中で、カレンさんとお話しした内容はあまり覚えていないのですが……。


“Skye”ちゃん(写真手前、黒い子)とお友達(奥にいる子)

勿論、研修期間中にビクトリア盲導犬協会を訪れたのは私一人だけ。犬が好きで、幼い頃から介助犬に興味があった私にとって、それはそれは良い経験となりました。
聴覚と視覚、フィールドは違えど、この経験があったから今のお仕事も楽しくできているのかな、とついつい考えてしまいます。

もう一度オーストラリアに行けるのならば行きたい場所として、真っ先に上げるのがホストファミリーのお家とビクトリア盲導犬協会です。
よろしければ是非、HPもご覧くださいませ。
Guide Dogs VICTORIA
※オーストラリア英語です※

終わりに

本日はこの長いブログにお付き合いいただき、ありがとうございました。
結びにもう一度、公益財団法人 日本補助犬協会のリンクを掲載いたします。
このブログを読んでくれた皆様が、少しでも補助犬について興味を持ってくださいますように。

あなたのより良い聴こえを目指して
補聴器専門店 リオネットセンター船橋店